『マンガでやさしくわかる江戸の娯楽本』読んだよ
『マンガでやさしくわかる江戸の娯楽本』読んだよ
当サイトに出てくださった
いずみ朔庵さんが2024年11月29日に本を出されたということで
読みました
全体を通しての感想ですが
読み終わると、江戸を身近に感じるようになったというか、江戸の風が肌に触れたような感覚になりました
それはたぶん「細部に至るまで説明する」だけでは到達できない領域で、現代に置き換える際の言葉選びのセンス、絵を使うか文字で説明するかの判断などなど
いずみ朔庵先生の読み手に寄り添う想いが、私に江戸の風を感じさたんじゃないかなって思うんですがどうなんでしょう(笑)
そういえば
2025年1月5日よりスタートする大河ドラマは蔦屋重三郎を題材にしたものらしく
『マンガでやさしくわかる江戸の娯楽本』で紹介されている作品の中にも蔦屋重三郎が関わった作品があるワケで
なんでもない1シーンや画面の端々に「あれって『マンガでやさしくわかる江戸の娯楽本』に書いてあったヤツじゃね?」なんて発見、結構あるんじゃないかな
『マンガでやさしくわかる江戸の娯楽本』を事前に読んでおけば
よりリアルに江戸の空気を感じながら大河ドラマを見ることができるんじゃないでしょうか


『江戸生艶気樺焼』の話
こいつは
モテたいのか
モテ男だと周りから思われたいのか
とにもかくにも
金持ちのボンボンのミエに対するお金の使い方
無駄という意味では今に通じるものがありますが
「この時代はコレがミエにつながるのね」が江戸独特で面白いですね
あと
この主人公
金持ちのボンボンというのを除けば思考がほぼ私と同じというか
お金が無尽蔵にあったら私もこれくらいのことやりそうだもんなぁ
お金が無いことがブレーキになっててよかったね、私(笑)
『うどんそば化物大江山』の話
いずみ朔庵先生のかわいいイラストもあってか
見た瞬間に
「(私が子供の頃に富士通FM-7で遊んでいたゲーム)【サラダの国のトマト姫】を作った人、ここから着想を?」
って思っちゃいました
それはもちろん気のせいで
擬人化は昔から日本に有った日本人に合った文化だったんだな、と
『マンガでやさしくわかる江戸の娯楽本』を読むと納得できます
ところで
『江戸生艶気樺焼』や『うどんそば化物大江山』のようなパロディやギャグ多めの本を黄表紙本というらしく
他に赤本、黒本、青本とジャンル別に色で分けられているみたいなんですが
ギャグは黄色って発想はこの時代には既に有ったんだなー、と驚きました
昔、特撮戦隊モノで
黄色は抜けててカレー大好きでギャグ担当ってのがあって以降、日本では黄色はそういうイメージになった
と思っていましたが
それよりもっと昔から日本人にとって黄色ってそういうイメージだったんだなーと
『浮世風呂』の話
最も江戸の空気を感じるお話です
読んでいる時間は
江戸の匂いが風に運ばれてくるような感覚になりました
大好きです
日常系アニメとでもいいましょうか
舞台が銭湯の「らき☆すた」みたいな?
江戸のお風呂と言えば混浴をイメージする人も多いと思いますが
江戸時代の風習というよりは江戸の風習に近いのかな
痴漢等女性の被害も少なくなかったことから男女で入る時間を工夫したり
最終的に明治後期くらいにはしっかり男女別になったみたいで
なんかね、電車のことが頭に思い浮かんだんですよね
電車も痴漢が多いから時間帯によって男女分けたりしてますし
そう遠くないうちに、全ての車両で男女が別に乗るようになるんじゃないですかね
『東海道中膝栗毛』の話
読んだことはなくても日本人ならタイトルくらいは聞いたことがありますよね
私も「読んだことはなくてもタイトル聞いたことある」グループに属します
なるほど、今でいうところの旅行系インフルエンサーってのは妙に納得
旅の先々でおきる面白事件が「8時だよ全員集合」っぽい
十返舎一九、字面といい声に出した時のリズム感といいペンネーム史上最強と言われてますね(言ってるの俺だけ説)
『桃太郎後日噺』の話
有名なお話の後日談
こういった話はどこの国でもありますよね
ヘンゼルとグレーテルが成長して魔女退治専門の賞金稼ぎになった映画『ヘンゼル&グレーテル』とかね
この手の話がウケるかどうかは
この登場人物ならこういう行動するだろうな、のリアルさにかかってるワケですが
この『桃太郎後日噺』は登場人物の行動があんまり原作とリンクしないし
そもそも原作の登場人物があんまり活躍してないし
オチに関してはもう
朋誠堂喜三二の精神状態が心配になるくらい良く解らない
Amazonで見た映画で前半面白かったのに後半は「監督ヤケクソか?」って心配になったくらいぶっ飛んだストーリーの映画があったのを思い出しました
その映画監督は作りたかった映画の企画がボツになりヤケクソになってその映画を録ったという話でしたから
朋誠堂喜三二もなんかあったんでしょうね
『南総里見八犬伝』の話
八犬伝といえば角川映画版しか知らない上に
その映画も観たことはないのですが
最近、曲亭馬琴の生涯を題材にした映画が公開されたという話は耳にしましたので旬な話ですね
本の中で「あなたの南総里見八犬伝はどこから?」というベンザブロック風の問いがありましたが
私にとって南総里見八犬伝といえば
SF超大作『宇宙からのメッセージ』
今回『マンガでやさしくわかる江戸の娯楽本』を読んでみて
「そういえば里見八犬伝っぽいストーリーあったな、リベアの実のくだりとか」と思い出しました
大好きでしたが今はもうほとんど内容を覚えておらず
「リベアの実」も、光る実だったことは覚えてましたが名前は覚えておらず今Wikiを見ながら書いてます(笑)
千葉真一さん、志穂美悦子さん、真田広之さんは
角川八犬伝と宇宙からのメッセージ、両方に出演されてるんですね
とにかく主人公が乗る戦闘機が大好きでした
『大悲千禄本』の話
千手観音が手をレンタルするというお話を通じて
江戸の生活が良く解りますね
特に
当時の通貨と金銭感覚に関して詳しく書かれていて面白いです
あと
いまやアニメやゲームでは当たり前になったスキル「アローレイン」の撃ち方についても書かれていました
だいぶダサい撃ち方でしたけど(笑)
『好色一代男』の話
好色一代男も「聞いたことあるけど読んだことない」って感じかな
当時の性風俗は(いつの時代も?)建前と暗黙の了解が大切だったんですね
飯盛女、蚤とり、など
建前上、売春とは違う仕事です
みたいな
してるのは解ってるけど建前守ってくれたら
役所も目こぼししますよ
みたいな
DB芸人が節度と建前守ってくれたら作者サイドも黙認しますよ、みたいな感じに似てるかな
こういった建前は日本人の悪いところみたいに言われることもありますが
あえて解釈に幅を持たせることで発想を締め付けず文化を発展させる側面もありますよね
同人誌とかコスプレとか
『雨月物語』の話
雨が上がった朧月夜に原稿書いて版元に渡すからタイトルは雨月物語
は
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
に似てますね(笑)
百物語さ
アメリカだったら絶対「俺は怖くないぜー」とか言って百話目を話し出すヤツいるよね(笑)
そしてヤバいことが起きるホラー映画の王道パターン
『春色梅児誉美』の話
今ならお長が「おもしれー女」って言われてそう
言ってる男は松本潤か小栗旬の3文字系男子
江戸時代の「おもしれ―女」に相当するワードってなんなんでしょうね、気になります
ハッピーエンドが正妻&側室でOKな時代なら
「きまぐれオレンジロード」のひかるちゃんも泣かずに済んだのになぁ(涙)
当時の女性たちはヒロインたちのヤキモキする感情に共感して
「わかるー」って言いながら『春色梅児誉美』を読んでいたんでしょうね
対して男性は、複雑で繊細な女心の描写に「めんどくさ」「わからんわ」とかいいながら『好色一代男』を読んだのかもしれません


最後に
面白いです
読む人を選ばないシンプルな面白さがこの本にはあります
江戸と今の日本ってなんか似た空気を感じますね
ゆえに、いま読んでも面白いと思える作品が数多く存在し
その中で、まだ知られていない名作迷作が多くあることを
『マンガでやさしくわかる江戸の娯楽本』は教えてくれます
それを発掘することはポケモンを探すワクワク感に通ずるものがあるワケですが
同時に「文字が読めない、難しい」という高いハードルも存在し
そのハードルを下げる役割を担うのもまた
『マンガでやさしくわかる江戸の娯楽本』だったりします
いつか
タイムマシーンができるその日まで、江戸への導き手は
いずみ朔庵先生にお任せしたい
と、私は思っています
よ
